皇室皇帝座燻（よもぎ蒸し・座燻）・バストフリー（BustFree）公式サイト　株式会社トラストでは、健康と美に関する商品をご提供します。

廣瀬　幸雄（ひろせ・ゆきお）
1940年、金沢市生まれ。金沢大学大学院自然科学研究科特任教授。NPO法人イグ・ノーベル科学教育研究所理事長。工学博士。専門は計算力学。2003年、イグ・ノーベル賞、09年、文科省より科学技術省を受賞。日本コーヒー文化学会副会長。

何を隠そう、私は大のサウナ好きです。もう少し若いころはほぼ毎日、大学の勤務時間後に金沢市内のサウナに通っていました。今も学会などで県外に出張した際は必ずサウナを備えたホテルに泊まっています。2月末も出張先の群馬と横浜でサウナを楽しみました。何がそんなに良いかって、体験した人には言わずもがなですが、汗を流した後の爽快感に尽きます。全身の抹消血管が広がって血行が良くなり、余分な脂肪や汚れを洗い流す効果もあるといわれています。

■高齢者の体には負担？

ところが最近、サウナを利用する回数が以前に比べて減ってきました。室内の高温が、体に負担が大きいと感じるようになってきたのです。もちろん、正しい利用の仕方をすれば大丈夫なのでしょうが、私の場合、持って生まれた性分でしょうが、一度サウナ室に入ったらじっくりねばって玉の汗をほとばしらせないと気が済まないのです。

短時間で飛び出したのでは他の客に「はは～ん、あのオヤジ、この程度の熱さで早々に音を上げたな」などと思われかねません。私はどうも、妙なところで「男のやせ我慢」をしてしまう癖があるようです。健康と爽快感を味わうためにサウナに入るのに、これでは返って体に良くありません。私と良く似た性格の同じ年の友人が、旅行先の宿泊施設のサウナでぶっ倒れ、救急車で運ばれそうになったという話を聞くと、そろそろサウナも卒業なのかな、と一抹の寂しさにかられます。

自分のことを高齢者とは微塵も思っていませんが、70代以上の人もサウナを気軽に楽しみたい。そんな自分勝手な発想で研究したのが今回紹介する遠赤外線による低音サウナのシステムです。

■ウイーンの変位則を応用

従来のサウナは100度前後という高温であり、そのため空気が乾燥して皮膚にあまり良くなく、のどや鼻も痛く感じるほどでした。心臓への負担が大きく、長時間入った後に水風呂へ飛び込む行為は、特に高血圧や動脈硬化を抱える中高齢者は避けるべきだと思います。

私たちは、物理の法則の1つである「ウイーンの変位則」を用い、遠赤外線の波長を調整することで40度ほどの低温でも汗びっしょりになるシステムを確立したのです。

ウイーンの変位則と言っても、一般の人には分かりにくいと思いますが、物体の温度が高ければ放射される赤外線の波長が短くなり、逆に波長が長ければ物体の温度は低くなるという法則です。

この法則を応用し、比較的長い波長（4～1000ミクロン）である遠赤外線を当てることでサウナの室内温度が割と低めでも体の中はポカポカと温まり、高温サウナと同程度の発汗をもたらすことに成功しました。

■遠赤が体内から温める

遠赤外線の体内への吸収状況

従来のように、高温の空気が皮膚に接触することで体が熱くなるのではなく、遠赤外線が体内に吸収されて体温が上昇するのです。私たちは遠赤外線の中でも9～20ミクロンの波長が最も人体への吸収率が良く、細胞、皮下脂肪、筋肉への熱伝導も効率的に行われることを突き止めました。

この波長で設定されている温度が35～43度であり、お風呂とほぼ同じ熱さです。しかもお風呂と違って水圧がないため心臓などへの負担も小さいのです。お年寄りや病弱の人も安心して利用できます。

この低温サウナを家庭で手軽に楽しんでもらいたいと思い、鍋のような形をした小型の熱発生機を開発しました。熱発生機は底がフライパン状の鉄板で、その上にセラミックでできた円盤を支えています。

電熱でセラミックの円盤と円筒を温めることで遠赤外線が発生します。電熱の温度は43度に設定してあり、遠赤外線の波長は9.19ミクロンです。

サウナ用のイス

熱発生機の底にヨモギを敷き詰めれば効果はさらにアップする

遠赤外線の発生メカニズム

■ヨモギで相乗効果

次に、座る部分の中央に穴が開いたイスを用意し、熱発生機の上に置きます。「そんなイス、どこに売ってるんだ」というご指摘を受けそうですが、韓国式ヨモギ蒸し用のイスとして案外出回っています。ネットなどで簡単に手に入りますよ。

そのイスに裸になって座り、首から下をすっぽりとビニール製のガウンで覆います。熱が外に逃げず、下半身から温まってきて驚くほど大量に汗が出ます。

この発汗スタイルは韓国では一般的です。ヨモギの葉を鉄板の上に乗せれば遠赤外線との相乗効果で血行促進や老廃物の排出が一層、高まります。ヨモギ蒸しは韓国では古くから不妊症の民間療法としても用いられているようですよ。

■スーパー銭湯、エステに設置

ビジネスモデルとしては、温泉施設やスーパー銭湯、あるいはスポーツ・健康増進施設、美容・エステサロンなどに備えることを勧めます。私たちの検証でも、使用した人たちから「肩こりが和らいだ」（54歳女性）「トイレの回数が減った」（58歳男性）「肌に張りが戻ったようだ」（68歳女性）「ひどかった生理痛が改善された」（30歳女性）などの声が寄せられました。きっと誘客の新たな目玉になるでしょう。一般家庭向けに販売するのも良いと思います。

実は私も自宅でこの低温サウナを楽しんでいます。浴室でできますし、体が優しいぬくもりに包まれて、疲れもストレスも吹っ飛びます。ただ、それでもたまに街中のサウナでいろんな人たちと裸の付き合いをし、開放感に浸りたくなりますけどね。